Last Kitten Heart departure

夏実:みんな早く!

由樹:夏実ちゃんが元気でうらやましい…

陽介:留恵ちゃん、まだ?

留恵:その辺だと思うんだよね。

ナナ:どの辺だよ。

由樹:そもそも留恵ちゃんが温泉に行こうって…

陽介:もう3時間も歩いている。

留恵:そのうちに着く!

由樹:雪道で歩きにくい。

ナナ:まったくそうだよ。

留恵:人の肩に乗っているヤツが言うな!

陽介:とうとうキレたよ。

由樹:きっと道に迷って、いらついてるんだよ。

留恵:とにかく降りてよ!

ナナ:じゃあ今度は由樹ちゃんの肩にしよう。

由樹:なんでだよ。

ナナ:うわっ、雪って冷たい。

由樹:当たり前だよ。

ナナ:しょうがない、由樹ちゃんと仲良くするか。

由樹:留恵ちゃんに嫌われたからね。

留恵:別に嫌った訳じゃない。

由樹:それにしてもみんな荷物多いね。

夏実:私はお菓子がいっぱい!

陽介:同じく食べ物とか………。

留恵:私はね、スコップとか、ナイフとか、日本刀とか………。

由樹:…何に使うの?

留恵:それにしても雪がいっぱい積もってて良かったね。

由樹:答えになってないよ。

留恵:由樹ちゃんを雪の中にうめたり………。

ナナ:おもしろい!

由樹:おもしろくないよ!

留恵:いいダジャレだと思ったのに………。

由樹:笑えないよ!

留恵:そうだ!夏実ちゃんにトンカチあげる。

夏実:ありがとう。

由樹:もらうなよ。

留恵:由樹ちゃんにはノコギリをあげよう。

由樹:何に使ったらいいの?

留恵:…小屋でも作ってみたら?

由樹:私たち温泉に行くんだよね?何でこんなものがいるの?

留恵:備えあれば憂いなしっていうでしょ?

由樹:すごい偽善的な言葉………。

陽介:留恵ちゃん、日本刀ちょうだい!

留恵:ダメ!あれは気に入っているの。

由樹:何でそんなに刃物に愛着があるの?

留恵:レンタル料払ったらいいけど。

由樹:取るのかよ。

留恵:1時間50円ね。

陽介:借りた!

由樹:借りるなよ。しかも安いし。

ナナ:それより温泉はどうなったの。

由樹:そうだよ。温泉だよ。

留恵:そのうちに着くよ。

陽介:ものをあげてごまかそうとしているんじゃない?

夏実:え?迷ったの?

由樹:留恵ちゃん、本当に来たことあるの?

留恵:あるよ。

ナナ:あやしい。

留恵:さあ、そろそろスコップでも出そうかな!

由樹:な、な、な、何か今日いい天気だね。

ナナ:そ、そうだね。

夏実:みんなで仲良く温泉に行こう。

留恵:そう、仲良しが一番!

由樹:…誰かのせいだよ。

留恵:何だって?!

由樹:…なんでもない。

陽介:とにかく仲良くやろう。

留恵:たった5人しかいないKitten Heartのメンバーなんだから。

ナナ:そうだけどさ。

留恵:もしも、Kitten Heartのメンバーが20人いたらどう?

由樹:どう?って言われても…。

留恵:まず、私は誰をいじめたらいいかわからない。

陽介:そういうのってよくないって。

留恵:あと、15、6人くらいしゃべれない人がでるね。

ナナ:5人いてもバランスよくはしゃべってないね。

由樹:その前に留恵ちゃん、しゃべりすぎ。

留恵:お前に言われたくない。

陽介:今に関してはしゃべりすぎだよね。

夏実:ところで温泉ってまだ?

由樹:絶対みんなで楽しくしゃべっているうちにいつの間にか着くって思ってる!

ナナ:そういう考えなんだ。

留恵:ひどいね、みんなで私をいじめようとしてる。

由樹:20人いたらいじめるんじゃないの!

留恵:こないだ通販で買った、よく切れる包丁があるんだよね。

ナナ:やっぱり、5人で仲良くやるのが一番だね。

夏実:みんな仲良くやろうね。

陽介:仲間同士争っても意味がない。

由樹:同じKitten Heartのメンバーだから。

留恵:みんなでKitten Heartを盛り上げよう!

由樹:…温泉着いたらね。

留恵:しつこいぞ!

陽介:本当に温泉そのものがあるの?

ナナ:ちゃんと吹き出ているよね?

留恵:通販で買った包丁、まな板も切れるんだよね。

由樹:まな板も切れたら包丁じゃなくなると思う。

留恵:なんだって?!

由樹:もういいよ、疲れた。

留恵:由樹ちゃん、10才でしょ?がんばって。

由樹:無理!

留恵:そんなんじゃ、あの山は制覇できないぞ。

由樹:もうやだ!!!

留恵:冗談まで通じなくなったよ。

ナナ:わがままだね。

由樹:ナナちゃん、全然歩いてないからわかんないだよ!

留恵:そんな大声出したら雪崩とか起きるよ!

陽介:雪崩ってそう簡単に起きるの?

留恵:起きるんじゃない?

夏実:雪崩ってどういう感じなの?

留恵:そうだな、あの山からこっちに雪が崩れてきているでしょ?

夏実:うん。

留恵:そうやって勢いを増してこっちに来るんだよ。

夏実:そうなんだ………。

留恵:………

陽介:………

ナナ:………

由樹:え?なに?どうしたの?