Last Kitten Heart departure

夏実:早くいこう。

由樹:そろそろ疲れた…。

夏実:みんなを探しに行かないと…。

由樹:もう歩けない。

夏実:…もう。

由樹:…しっ。何か聞こえない?

夏実:また雪崩かな?

由樹:違う。何か、生き物っぽい。

夏実:クマさんかな?

由樹:メニューページのクマみたいにかわいいければいいけど。

夏実:やっぱり怖いかな?

由樹:決まっているでしょ!

夏実:クマじゃなかったらイノシシかな?

由樹:そもそも、この一面の銀世界で出るの?冬眠してない?

夏実:じゃあ、虎かな?

由樹:今の虎は強くて勝てない…。

夏実:だったら、何かな?

由樹:夏実ちゃん、雪と言ったら雪女だよ。

夏実:雪女?

由樹:そうだよ、黒い長い髪の女の人だよ。

夏実:あれ、そうじゃない?

由樹:夏実ちゃん、どうしよう…。

夏実:そうだ、トンカチ投げてみよう。

由樹:危ないって。

夏実:えいっ。

由樹:いたい。…だから危ないって言ったの!

夏実:ごめん。

由樹:と、言っているうちにこっちに来てる!

夏実:走ってきたよ。

由樹:夏実ちゃん、逃げるよ。

夏実:でも、あれ…

由樹:急ぐの!

夏実:待ってよ…

由樹:きゃっ。転けた。

夏実:…由樹ちゃん。

由樹:うわっ。雪女に捕まった。

留恵:誰が雪女だ!

夏実:留恵ちゃん!

留恵:夏実ちゃん、ひさしぶり。

由樹:きゃっ。怖い。

留恵:何が『きゃっ』だ。右ストレートパンチ!

由樹:いたい。

留恵:あんたのせいでどんな目にあったか。

由樹:後頭部殴るのやめてよ。

陽介:留恵ちゃん、なんで突然走り出すの?

ナナ:そうだよ、追いつくのに必死だったよ。

陽介:肩に乗っているヤツが言うな。

ナナ:夏実ちゃん!

夏実:二人も無事だったの。

陽介:じゃあ、留恵ちゃんの下にいるのって…。

留恵:子うさぎ、一匹捕まえた。

陽介:強い虎と、弱いうさぎの図だ。

ナナ:捕食だ。

由樹:捕食とか言うな。

ナナ:いま、うさぎ弱いからね。

夏実:そうなの?

留恵:♪うさぎお〜いしい。

ナナ:『追いし』だよ。

陽介:結局食べるんだけどね。

夏実:でも、よかった。みんな無事で。

陽介:無事じゃないだろう。子うさぎさん食べられちゃうよ。

ナナ:哀れだ。

由樹:同情するなら助けろ!

留恵:今度こそ、由樹を雪の中に埋めてやる。

由樹:凍死したらとうし(どうし)よう

留恵:どうやら頭から埋められたいようだね?

由樹:きゃっ。

留恵:春になるまで埋もれてろ。みんなお待たせ。

陽介:子うさぎさん、雪の中へ。

留恵:あれが冬眠ってヤツだ。

夏実:なるほどね。

ナナ:違うよ、冷凍保存だよ。

留恵:でもよかったよ、とりあえず4人は無事で。

陽介:自分で一人減らしたくせに。

留恵:夏実ちゃん、だいじょうぶだった?

夏実:ずっと由樹ちゃんと一緒だったから。

留恵:あんなひ弱な子うさぎと一緒にいて不安じゃなかった?

夏実:絶対みんなに会えるって信じてたから。

ナナ:泣かせるね。

陽介:そんな支えてくれた子うさぎさんも氷づけか。

夏実:由樹ちゃんと再会したときも雪の中に埋まってた。

留恵:そっか。2回目か。

陽介:ナナちゃんと再会したときも埋まってた。

ナナ:冷たい雪の中にね。

陽介:しっぽだけで出いるから、新しい生き物かと思ったよ。

ナナ:だからってしっぽ引っ張るな。

留恵:そんな言い争いしているときに二人に会った。

陽介:約1名を除いて無事でよかった。

留恵:最初の予定通り、温泉にいきますか?

ナナ:今度こそだいじょうぶだよね。

留恵:だいじょうぶ、この辺だから。そのうちに硫黄の香りがするよ。

夏実:じゃあ、行こう!

陽介:子うさぎさん、どうするんだよ。

留恵:仕方がない、掘り起こすか。

ナナ:誰がやったんだよ。

由樹:…寒い。

留恵:さっき言ったダジャレが?

由樹:なんで私ばっかりいじめられるの!

留恵:おもしろいから。

由樹:もうおー。

留恵:そんな弱々しい押し倒し方じゃ勝てない。

陽介:『もうおー』って、子うさぎさんが牛になったよ。

ナナ:それはおもしろいね。ウッシッシ。

夏実:(クスッ)

陽介:今、夏実ちゃん笑ったよ。

夏実:言い方がおもしろかった。

留恵:もっと本気出せるでしょ?おいで!

由樹:もうおー。

ナナ:ああ、完全に牛になっちゃった。

夏実:(クスッ)

陽介:夏実ちゃん、ツボに入った。

ナナ:留恵ちゃん、そっち崖だよ。

留恵:わかってる。

由樹:留恵ちゃんなんか嫌い。

留恵:そのくらいの勢いでくればいいの。でも、投げ飛ばす。

由樹:なんでいつも私ばっかりなの!

留恵:だからって私にひっつくな。

由樹:もうイヤなの!

留恵:わかったから離れろ。動きにくい。

由樹:いつもいつも…。

留恵:私から離れて立って歩け!寄りかかってくるな、危ないなあ。

ナナ:ラスきとで『危ない』って何かあるんだよね。

留恵:わかったから、ほら崖の近くまで来ちゃったじゃ…。

由樹:きゃっ。

ナナ:落ちた。

夏実:わっ。

陽介:留恵ちゃん、今助ける。

留恵:陽ちゃん、二人分は無理でしょ。

陽介:うん。重たい。

留恵:夏実ちゃんをお願い。Good luck.

陽介:Good luck.