Last Kitten Heart biscuit

留恵:夏実ちゃん、あれできたの?

夏実:うん、できたよ。

由樹:あれって何?

留恵:三人が出かけている間に作ったんだよね。

夏実:これだよ。

陽介:だたのおまんじゅうじゃない?

留恵:25個中24個はね。

ナナ:それ、どういうこと?

夏実:24個は私が作った、こしあん入りおまんじゅう。

留恵:一個だけ、私が作ったありとあらゆる激辛物を入れた特製おまんじゅう。

由樹:それで?

留恵:これでロシアンルーレットみたいに一人一個ずつ食べていきます。

ナナ:ええーっ!!

留恵:こしあんでロシアンルーレット。略して、コロシアンルーレット。

夏実:食べる順番のくじ引いてください。

由樹:やるの?


陽介:一番だよ………。

由樹:いきなり食べな。

陽介:やだよ。

留恵:ちなみに…とんでもなく辛いから。

陽介:…いただきます。

由樹:どう?どうなの。

陽介:おっ!!

ナナ:当たった?

陽介:おいしい。

由樹:ベタだね。

留恵:ホントに当たったらあんなリアクションできないから。

由樹:何入れたの?

留恵:一味唐辛子でしょ、タバスコでしょ、激辛スナックでしょ、それからそれから…。

由樹:ホントは留恵ちゃん、どれだか知っているんでしょ!

留恵:知らないよ。本当に。

由樹:じゃあこの形が悪いこれ、食べてよ。留恵ちゃんの番でしょ。

留恵:い、いいよ。パクッ。

由樹:じー。

留恵:おいしいこしあんのおまんじゅうだよ。ほら。

由樹:く〜〜〜。

ナナ:もしかしたらニオイで解るかも!

由樹:わかったら私にも教えて。

ナナ:ん!!!

由樹:わかったの?

ナナ:わからねえ。

由樹:解んないのかよ。

ナナ:どれでもいいや。パクッ。夏実ちゃんが作ったからおいしい。

夏実:ありがとう。

由樹:作った留恵ちゃんより、仕上げた夏実ちゃんの方があやしいんだよね。

夏実:私も知らないよ。留恵ちゃんが混ぜて、その後さらに私が混ぜちゃったし。

由樹:別に、夏実ちゃんが、知っててもいいけどね。

留恵:ひどっ。

夏実:パクッ。ちょっと甘かったかな?

ナナ:ううん。全然平気。

由樹:次は、陽ちゃんだね。

留恵:おい!こらっ!

由樹:やだー。食べたくない。

留恵:くじ引いたんだから食べろ!

由樹:無理無理無理。

留恵:誰か由樹抑えて!

陽介:がっちり抑えた。

由樹:ヤダやだヤダ。

留恵:まだ20個はずれがあるんだから。

由樹:あっ!!!

留恵:夏実ちゃん、由樹の口開けておくから、適当に入れて。

夏実:はいっ。

由樹:んっ!!!

留恵:世話焼かせて………もう。

由樹:おいしい。

留恵:次イヤがったら、溶かし込むぞ。

由樹:何を?それよりアゴ外れたらどうするのよ。

留恵:拒否しなきゃいいのよ。

由樹:ひどいよ。無理矢理開けるんだもん。

留恵:そういえば秋らしくなったね。

夏実:山も色づいてきたね。

留恵:みんなで紅葉楽しむのもいいかもね。

ナナ:え?また山に行くの?

留恵:だいじょうぶ、秋は雪崩はないから。

陽介:雪崩ないなら、いいんじゃない?パクッ。

留恵:でしょ、でしょ、でしょ。

ナナ:なんか、やだな。

留恵:なんだったら、温泉つけますよ。

ナナ:留恵ちゃんってツアコン?

夏実:温泉いいよね。

留恵:夏実ちゃんはわかっていると思ってたよ!

ナナ:温泉も興味ないんだよね。悪いけど。

夏実:えー。なんで?

ナナ:びしょびしょになるから。

陽介:当たり前じゃん。

ナナ:濡れるのは嫌なの!

留恵:じゃあ、おいしい食事つけようか?パクッ。

ナナ:だから、留恵ちゃんってツアコンなの?

留恵:栗拾いとかあるし。

夏実:クギ拾い?

陽介:拾ってどうするの?

夏実:なんか直したり。

ナナ:クギは日常的に必要不可欠品なの!

留恵:なんで。

夏実:夏休みの工作作ったり。

留恵:夏実ちゃん、もう秋ですけど。

ナナ:パクッ。

留恵:まあ、秋は何をするにも適しているからね。

陽介:夏休みの工作も?!

ナナ:でも、家でゴロゴロしているのがいいな。

留恵:外行こうよ。楽しいよ。

ナナ:例えば?

留恵:海水浴行ったり、ラジオ体操したり。

ナナ:それは夏だって。

夏実:パクッ。

留恵:ほら、外はいろいろあって楽しいの。

ナナ:この前の温泉旅行はいろんな意味で楽しかったよ。

留恵:何かしらの壁はなくなった気がしない?

陽介:それはあるかもね。

夏実:よくなったよね。

留恵:にもかかわらず壁を作っている人がいます!

由樹:…その会話って混ざらなきゃいけないの?

留恵:うん。

由樹:なんでお茶菓子みたいに食べるのさ!

留恵:お茶菓子じゃない。

由樹:話ながら当たったらどうするの。

留恵:そのスリルを楽しんでいるんじゃない。ほら、次由樹ちゃん。

由樹:いーやーだー!

留恵:溶かし込むぞ!

夏実:はい、由樹ちゃん。あと16個あります。

由樹:さっきより減っているじゃない!

留恵:バカ?みんなで食べているんだから。

由樹:食べればいいんでしょ?パクッ。

ナナ:どう?

由樹:おいしい。

留恵:だいたいに、こういうのが当たるのは運がないんだよ。

陽介:そんなこと言って大丈夫?自分があったとき。

留恵:その時はその時だよ。

由樹:ホントはやっぱり知っているんでしょ!

留恵:本当に知らないんだって。夏実ちゃんに混ざられたから。