Last Kitten Heart encounter

引き続き、牢屋の中。

夏実:う〜〜〜ん。よく寝た。

由樹:よく寝られるね、こんな所で。

夏実:由樹ちゃん、寝てないの?

由樹:そうだよ…。寝られるわけないでしょ。

陽介:ああ、由樹ちゃん。おはよ。

由樹:お前もだ!

留恵:あー。由樹ちゃん、騒がないで。

由樹:ほら、留恵ちゃんだって寝れてないんだよ。

留恵:zzz

陽介:寝てるけど。

留恵:起きてるよ。ちょっとは寝ないと…。

由樹:どうするの!明日が期限なんだよ。

留恵:…って言われても、どうしようもないじゃない。

夏実:そうだよね。

留恵:誰かここのカギ持ってないかな?

ミポ:私が持っております。

留恵:だったらカギ開けてきて…。

ミポ:では。

留恵:って何でいるの!

ミポ:助けに参りました。

夏実:ねえ!どうやって入ってきたの?

ミポ:ヒミツの抜け道がありまして。開けますよ。

由樹:ほら起きて。おとなしいと思ったら寝てたの?

ナナ:う…?何………?朝?

留恵:何で助けてくれるの?

ミポ:私たちの願いに巻き込んでしまい、せめてもの償いです。先日、お姉さまと電話ですけれど、話すことが出来ました。笑うことが少なかったのに、あなた達に出会ってから笑うようになりました。

由樹:留恵ちゃん、あれはハッピー☆マッシュルームの毒だって教えてあげた方が…。

留恵:言えるわけないでしょ。

ミポ:もしかしたら王女も………と思いましたが無理ですよね。そんなこと。

留恵:うん。無理。

由樹:きっぱり言いすぎだよ…。

ミポ:あ、開きましたよ。

陽介:よかった!

由樹:これで帰れる。

夏実:ありがとう。あと、みんなも。

留恵:何で?

夏実:正直不安だった。でも、みんなが居てくれて安心できた。一人だったらダメだったと思う。

留恵:何改まっているの。仲間でしょ。

由樹:夏実ちゃん、けっこう寝てたよ。

留恵:安心できたから寝られたんでしょ。

夏実:そう………かもね。

留恵:本当に安心するには、ここから出ることだよ。

ミポ:行きましょう。案内します。


菜の花王国の城の広い廊下

留恵:あとどれだけ走れば着く?

ミポ:そこのT字路を左に曲がれば、出国ゲートです。

由樹:もうすぐなんだね。

留恵:ちょっと待って。前に人だかりが。

ミポ:衛兵達です…。

陽介:留恵ちゃん!後ろにも居るよ。

王女:誰が外に出ていいって言ったかな…。

留恵:完全に囲まれた。

衛兵:王女さま、ご指示お願いします。

留恵:あの子、菜の花畑でぶつかった…。

王女:また、会ったね。

夏実:なんで…。

王女:脱走するから捕まえるだけよ。

留恵:夏実ちゃん、知っているの?

夏実:王女だったことは知らない。

王女:そういえば、話さなかったね。

留恵:あんたね、ぶつかったくらいで追いかけ回さないでくれる?

衛兵:無礼者!

留恵:うわっ。剣が、刃が、こっち向き。

王女:あなたと話す気はないの。その子に話があるの。

夏実:どうして…。

王女:あなたと話がしたい。それだけ。

夏実:話し相手、居ないの?

王女:同じこと言わせないで。私は誰にも頼ったりしないの。

夏実:ホントに?

王女:そうなの。分かったらまわれ右をして、おとなしく牢屋に戻りなさい。

夏実:………ごめん。

留恵:いいって。あの王女、ワガママそうだし。夏実ちゃんにケガがなければ。

王女:この子達を連れて帰らせて。

衛兵:はい!

王女:ひとつだけ、言わせてもらうけど、話し相手は居るの。

夏実:………だったら、私も。

王女:何?聞いてあげる。

夏実:誰にも頼ったりしないのに、どうしてたくさんの衛兵達がいるの?

王女:私、王女だよ。護ってもらないと。

夏実:私も、いつもみんなに助けられてもらっていると思うの。

王女:それがどうしたの。

夏実:しっかりしていないし、強くはないし、足遅いし。だから頼るしかないの。

王女:そうだろうね。

夏実:それは、あなたもそうじゃないの?

王女:うっ…。

夏実:ありきたりなこと言うけど、ひとりじゃ何も出来ないんじゃないの?

留恵:あっ。逃げた。

王女:誰も来ないで!!

留恵:夏実ちゃん、チャンス!衛兵たちが慌てているし、逃げられそうだよ。

夏実:私、追いかける。

留恵:あの子、『来ないで』って言っているじゃない。

夏実:でも………。

ハノ:行ってあげなさい。

留恵:なに?妖精?

ミポ:大丈夫です。知り合いですから。

留恵:この妖精の?

夏実:行ってくる。

留恵:妖精同士だから不思議じゃないけど。どんなご関係で。

ハノ:ミポは私の………