Last Kitten Heart friends

 決して彼らが悪いのではない。むしろ楽しく騒いでいるいい人たちだ。
 積極的になれず、なじめない自分が悪いのだ。
 彼らの経過を退屈に見ていた。

 お昼過ぎ、夏実に連れられて家に招かれた。
 入ると暖かくむかい入れてくれた。会うのは二度目だったので、前回よりかは緊張はしなかった。でも、不安でしょうがなかった。
 前回は、本当に顔を合わせただけだった。

 

 ***   ***

 

 小川で顔を踏みつけられた後、夏実の家で手当を受けた。
 しょげた顔で、すり傷に消毒液を塗ってくれた。
「もういいよ。気にしていないし」
 夏実の表情を見て、きっとこの子は優しい子なんだろうな……と思った。
 その時だった。部屋の入り口から三人、中へ入ってきた。
「夏実ちゃん、帰って来たよ」
 それが初顔合わせだった。
「その子は?」
「さっき、小川で踏んじゃって……」
「一人でモグラたたきでもしてたの?」
 私はモグラじゃない。
「私、これから用事があるから」
 素早く立ち上がり、身仕度を調える。
「なのかちゃんの家、そこの道をまっすぐ行った住宅街だよ」
 夏実に道を教えられ、この日は立ち去った。

 

 この後、何度か夏実と会い、今日に至った。
 だから、こうしてみんなと話すのは初めてだった。
 彼らの話題、立ち振る舞いにはついていけなかった。
 留恵のムチャな要求に振り回される陽介、由樹たち三人の輪にも入れず、にこやかに見ている夏実にも合わせられなかった。
 せめて話題だけでも……と、思うが話の元になっている事柄がわからない。
 瞬間移動だの入れ替え能力だの、空想での話か、本か何かの話だか伺い知ることも出来なかった。
 溶け込むことも出来ず、時間だけが過ぎていった。

 

 話もそこそこ尽き、私のことを気にしてくれたのか、こっちに話がふられる。
「なのかって、南地区でどっかに行った?」
 留恵が聞いてきた。
 ううんと首を振ると、行きたいところを尋ねられる。
 もちろん、東地区に居たときから行きたかった公園——そう『南駅前大森林公園』。
 そう言うと皆うなずいてくれた。
「あそこはいいよね。自然がいっぱいで」
 南地区って農業地帯だから自然だらけじゃないの……って思った。
「遠いからね。ここからじゃ、なかなか行けないし」
「でも、今度そこでオニごっこ——」
「夏実ちゃん、あれってキッチンのどこにあるんだっけ?」
 途中まで言いかけた夏実のセリフにかぶせるように、留恵が大声で叫ぶ。
「だから、あれ。……ちょっとついてきて」
 きょとんとしている夏実を引っ張り、キッチンの奥へ連れて行く。