Last Kitten Heart friends

 いつもはのんびり起きるところだが、今日は早めに起きて朝食を口にした。
 嫌々起きたのではない。うれしくて、今日が楽しみで、すっきり起きた。
 と、いうのは一週間前、夏実に誘われて公園に行くことになったから。
 何でもイベントがあるからだという。
 それに参加しないかとのこと。
 もちろんOKをした。
 だってずっと行きたかったあの公園に行けるから。
 それに夏実と一緒に過ごせるし。

 朝のバスに乗れば昼前に着くから、それに乗ってと言われた。
 しかし、いざ乗ってみると夏実たちは乗っていなかった。
 どうしよう、間違えたか。と、思っていたら見覚えのある黒い猫が私の近くに寄ってきた。
「えっと……ハチだっけ?」
「ナナだ。なんだその犬みたいな名前は」
 怒られた……。
 気まずい中、夏実たちの居所を聞いた。
「昨日、家を出てもう着いているはずだよ。だから迎えに来た」
 それを聞いて不安は取り除かれたが、夏実がいないことに寂しさを感じる。
 ふとナナが、
「前に集まったときに聞けばよかったんだけど、なんでそんなにあの公園に行きたいの?」
「東地区は、ああいう公園がないの」
 と、いうより緑そのものがないのだ。
 もの大人しいそうななのかが、自分の感情を抑えられず高揚したそのままの気分で話し始める。

 まず、東地区は荒野の中に作られた街だ。
 鉱物資源が豊富にあり、発展していった。昔はいくつかの集落が点在していた。
 そのころは、水や食料品を手に入れるのが大変だったらしいが、今は地下水脈を見つけひとつの“街”という形でまとめられた。
 食料品は南地区から輸入することで、解決された。
 生活環境はよくなったが、平和な街には成ることはなかった。

 なのかは小さいころからこの街が嫌いだった。
 本屋で見つけた一冊が、いつか南地区に住みたいと思う気持ちにさせた。
 写真入りで南地区が紹介させていた本。
 なのかには衝撃的だった。
 植木鉢以外から植物が生えている写真。
 東地区の緑が観葉植物しかないことを考えれば当然のことだった。
 毎日のようにその本を眺め、木が生い茂る南駅前大森林公園に行くことが、あこがれ以外のなにものでもなかった。

 それを懸命にナナに語るが、なのかが興奮しすぎて引き気味だった。
もうすぐその公園に着く。