Last Kitten Heart friends

 混乱の渦をかき分け、街の中心部に戻ってきた。
 ここに、なのかと決めた待ち合わせ場所のカフェがある。
 二人が来たころには、店が閉められていた。
 周辺を探したが、なのかを含めて人っ子一人だれもいない。
 仕方がなく店の前で待つことにした。
 五分ほど沈黙が続いた。
 それが途切れたのは、陽介が口火を切ったからだ。
「留恵ちゃんさ……。ちょっと思ったんだけど……」
 その提案を聞いた留恵は、快くモバイルフォンを渡す。

 そのころ、夏実は由樹たちにも事情を話した。
「そういうわけで、ネズミ三匹捕ってきて」
 ナナは、大喜びで探しに行った。
 最近、この家に住み着いたネズミがいる。ちょうどいい。
 台所で一匹見つけて、追い詰めるところまで成功した。
「ネ、ネコさん……。ちょっと待ってくださいよ」
 必死に命ごいをする。
「安心しろ。捕って食ったりしないから」
「では、何故に追い回すのですか」
「ちょっと中央地区に行ってくるだけだから」
「戻ってこられるのですか」
 そう聞かれると、ナナは首を横に振った。
「そ、そんな……。中央地区に飛ばされるなんて、あんまりです。私には嫁と子どもたちがいるのですよ。家族を残して単身で行けっていうのですか」
「連れて行けばいいだろ。……あ、三匹までだった」
「子どもが大勢いるのですよ。家庭崩壊させる気ですか」
 転勤を嫌がるサラリーマンか。
 うるさいネズミを置いて、夏実に助けを求める。
「ネズミさん、かわいそう。ミミズにしよう」

 留恵たちがカフェに来る前、なのかもここに来ていた。
 店内で気配を消していたが、大きな爆発音で心配になってきた。
 マンションに来てみると、隠れ家に使っていた部屋だけ燃えてなくなっていた。
 火薬の量などを計算した上で作られたシステム。
 メンバーに、あの人が入っただけ違う。
 完成間近のジグソーパズルみたいなマンションを後にする。
 感心している場合じゃない、『兵士さん』を探さなきゃ。
 東地区の軍隊に見つからないように、あたりを探し回る。
 途中で、一般通行人の会話から駅封鎖を知る。
 これで、自分も留恵たちも当分帰れない。
 時折聞こえてくる銃声をもとに走っていく。
 軍隊とニアミスしそうになった。
 最大のピンチを乗り切ると、まだ新しく出来たばかりの血の跡を見つける。
 悪い予感がした。
 その血の跡をつけていくと、予感は確信へと近づき、最後は絶望に変わる。