Last Kitten Heart friends

 数日前、留恵宛てに一通の手紙が届いた。
 『親展』と書かれた速達便。送り主は書いていなかったが、それがどこからかすぐに分かった。
 自室で開封してみると、指定された日時に来るようにと書かれている一文。
 それに添えられた朱印で、送り主が確定された。
 そして、おととい。手紙を持って自分の部屋から出ると、ちょうど部屋から出てきた夏実と目が合う。
「夏実ちゃんさぁ……」
 すると、無言で部屋に戻ってしまった。
 留恵もこの仕打ちには慣れてきた。
 下へ降りてリビングに入ると、ソファーで由樹が寝そべっていた。その向かいに座ると、深刻そうな留恵に気づいた。
 一つため息を出すと、あの手紙を由樹に差し出す。
「見てほしいものがあるんだけど……」
 同じようなことを陽介にも聞いたが、二人とも同じリアクションだった。
 由樹の時は、気持ちをコントロールしきれた。でも、陽介の時は列車の中で環境が違った事もあり、ダメだった。

 西地区の駅前広場につながる通りをひたすら歩いて行くと五階建てのビルに着く。入ると受付室があり、ここを通り抜けないとほかのフロアには行けない。
 留恵はすんなりと通され、最上階へのエレベーターに進む。
 通されたのは会議室で、本革のイスがいくつも並び、怖そうな男たちがそのイスに座っている。留恵とは年が同じか、少し上くらいで、全員顔なじみだ。
 先日の手紙の送り主たちとテーブルを挟んだ向かい側に座る。すると、五人いるうちの一人が威勢よく留恵に詰め寄る。その内容は予想通りだった。
 本来、南地区がほかへ作物を出荷する際、南地区政府管理下の法人団体を通している。
 だが、彼らが作る一大組織の配下にある南支部が南地区のオフィス街にある。
 留恵グループを含む南地区にいるグループは、南支部に作物を集めて、西地区に流している。もちろん、裏ルートとなり、正規ルートより安く流せる。
 だが、留恵たちは中央地区へ、もう一つの正規ルートを使って個人契約で出荷していた。
 南地区政府の許可が必要で、取るのに苦労した。
 この一連のことが、彼らにバレてしまった。
 シラを切るつもりだったが、証拠を突きつけられ苦しくなってきた。
「私は……、私たちは別に裏切ったわけじゃないし、そういうことをするつもりもない」
「じゃあ、本部の意向に従ってもらおうか」
 無言になった留恵。どうしようか……。
「もし、今後こういうことがあった場合、夏実はこっちに返してもらうか」
「それだけはダメ!!」すかさず反応する。
 かといって、陽介や由樹でも嫌だ。
「嫌だったら、ちゃんと従え!」

 悔しさいっぱいに建物を出る。
 みんなを悪党なんかにしたくない。だから、いつか手を切ったときのために作った個人契約。バレずにやるのもどこか無理があったのかもしれない。
 泣き叫ぶ夏実を思って自分のところに引き寄せて、いろいろしてきた。
 しかし、道を断たれ、本人は口をきいてくれない。
 どうすれば、よかったの……?
 朝より、悩みとため息が増えていった。