Last Kitten Heart friends

 なぜ地下室があり、その上留置室があるんだ。
 当初は、どこか空き部屋を作って監禁しようと考えて連れてきた。
「だったら、アニキ! いい部屋がありますよ」
 ついていくと、事務室の床から地下に通じる隠し階段が出てきた。
 更に地下一階からはハシゴ階段があり、その下には外からしか鍵かかけられない部屋が四つあった。
 うち一部屋に、縄で縛った部隊六人をまとめて入れた。
「いいのか、こんなことして。本部に知れ渡ればここは火の海だぞ」
「ご心配なく」エースは部隊から取り上げた通信機を見せた。
「おうちの人には、しばらく帰らないと代わりに言ってあげたよ」
「そんなものが通るわけないだろ!」
「残念ながらウチは少数組織ではないので対策済み」
「だが、この行為は無駄だ。貴様らが少し長く生き延びたことにしかならない」
「ナメた口を利くな!」すごい剣幕でにらみ付けた。
「先日の中央地区の一件が序章に過ぎなかったと、人々は思うな」「は? 脅しか」
「我々を自由にしてくれたら、全てを話そうじゃないか」
「そんな古い手にはひっかからねーよ」
 エースは、子どもたちを連れて上にあがった。
「信じないのは自由だ。だがな、今に一番大切なものを失うぞ」その言葉にエースの動きが一旦止まるが、再びハシゴを登った。
「鍵は厳重にかけて、重しを乗せておこう」
 ——大切なものを失う?
 どういう意味なんだ。お嬢? 故郷? いや、アイツが出任せで言ったに過ぎない。動揺させておいて、そこにつけ込む気なんだろう。気にすることは何もない。

「“王様さん”こっちはうまくやりましたよ」
『ご苦労。こっちは北地区に着いた』
 モバイルフォンで、自分から連絡を取った。
『着いたが、この有様はなんなんだ』
「だから、言ったじゃないっすか。何も無いって」
『お前の村は、駅から近いのか』
「自分の場合だと、十分で着きますね」
『つまり、超高速移動能力のないオレが行くと一時間半はかかると』
「適当な乗り物を見つけないと足をすくわれて、更に時間がかかりますけどね」
『ふざけんじゃねえよ』
「隠し場所には最適じゃないっすか」
 北地区は高い山々に囲まれていて、西地区から低い山を通り抜けていくしかない。つまり、東地区から最も遠いところになる。
「あの部隊が言っていたことなんすけどね、あいつら大きく出るとか」
『そういう情報は、こっちにはあがっていない』
「でたらめに言ったと思うから、大したことじゃないっす」
『なら、いいが』
 この一件は気にしないって決めたのに、なぜ口にしたんだ。こういうことが狙いなんだ、忘れよう。
 今日も何事もなく、日が沈んでいった。