Short×Short cake vol.1

001:違和感なくそう思っていた

2005年7月から短編集を公開することにした。
そのあらすじを作るにまず紙に書いてから、それからパソコンに入れている
その原稿とエピソードから

ソファーの上で寝っ転がりながら、
「感情的なものがいいな」とシャープペンとルーズリーフを取り出す。
「出だしはこんなものかな?」とペンを走らせる。
集中力がない私は休憩。横になる。
次にお菓子へと手が伸びる。
油っぽいスナック菓子を食べながら「あ!続きを思いついた!」
起きあがって書きかけの原稿を探す。
「ここは『お前みたいな奴がいるとまわりまでダメにしているんだ』と」
右手の指が忙しく動く。
「で、『お前は腐った……』と」
その後、順調に書き上げた。
「さてと。寝よう」とフトンをかぶる。

次の日、読み返してみた。
「…教師は殴りかかった生徒の腕をつかみ言った。『お前みたいな……』」
ピンときた!
「そうだ!ココを“怒鳴った”に変えよう」と、線を引いて書き直し。
また続きを感情込めて読み出す。
「…ダメにしているんだ。お前は腐ったリンゴだ!生徒はつかまれた腕をはずして、教師をにらめつけて……」
「あ!」と共に消しゴムで一部分を消した。
「ミカンだった……」

こんな感じでShort×Short cake作ってます。

002:鍵がかかっている

奥の部屋に案内されたが鍵がかかっているのか開かない。
通りかかった係員に「ちょっと!このドア、ロックがかかっていて開かないだけど」
すると係員は「じゃあ、ジャズをおかけしましょうか?」

003:彼女が……

数ヶ月前だったかな?彼女と別れたのは。
一緒にいた頃は毎日が楽しかった。
叫んだ!山に向かって。気持ち的には山を越えて行ってしまったようだったから。
でも、去っていったものは仕方がない。忘れよう。
忘れるためにも一人旅にでも出よう。
ツアーマガジンと共に始まる1ページ。
好意を伝えることもなくなった助手席。
かわりにMD詰め込んだ好きな曲。
駆け抜ける木々、渓谷、トンネル、坂道を登って温泉地。
漂う卵が腐ってような独特の香り。
威勢のよい売り声が飛び交う温泉街。古びた建物が雰囲気がいい。
ひとりぼっちになった心を和ませるようだった。
そして、表通りはおいしそうな飲食物が並ぶ。
湯気に包まれた温泉まんじゅうに卵。
とりあえず、温泉卵は買って食べることにした。
卵の殻をたたき割ったようにふっと思い出した。

「料理とかするの?」
「ちょっとは、するかな?目玉焼きとか得意だよ」
「本当!?」
僕はちょっとした期待感を感じた。
「半熟とかできる」
「そういえば、目玉焼きにソースとしょう油どっちかける?」
「ケチャップ」
「ケチャップ?!」
驚きと嫌悪感を覚えた。
なぜならトマトが嫌いだったから。僕にとっては有り得ない組み合わせだった。
「一度食べてみれば」
「遠慮するよ」
「男の子だったら気合いで食べるの」

あーダメだ。忘れるんだった。
湯船につかってそんなことを思い出した。
『男子運動部の先輩か?』なんか嫌な気分になった。
もっと奥に行こう。深い湯けむりの中を突き進む。
「あいた!」
よく前が見えなかったため人にぶつかった。
「あっ。ごめんな……」
よく見ると、どっかで見た顔。
「なんで……。なんで、ここにいるの?」