Short×Short cake vol.3

005:○○と××って似ているよね

「留恵ちゃん、怨恨(えんこん)殺人とレンコン殺人って似ているよね」
「どこが?」
「例えば……」

 

——怨恨殺人
「警部! こちらです」
「で、被害者は?」
「これです」
「こりゃあ、ひどいな」
「頭部を数十発、上半身から下半身までかなりたたかれた跡はあります」
「それが死因か」
「いえ、首に絞められた跡があり、これが直接の死因と鑑識の結果が出ています」
「絞殺による窒息死か……。物品を取られた形跡は?」
「そのような形跡は見られません」
「凶器は?」
「台所から被害者のものと思われる血痕がついた麺棒が見つかりました」
「絞め殺した後、麺棒で殴り続けたか」
「そのようですね」
「怨恨殺人か……」
 警部は重苦しく言った。

 

——レンコン殺人
「凶器は?」
「台所から被害者のものと思われる血痕がついたレンコンが見つかりました」
「レンコン殺人か…」
警部は重苦しく言った。

 

「夏実ちゃん、それじゃ凶器の違いじゃない」

 

——レンコン殺人2
「警部!」
「見つかったか?」
「台所で発見させたレンコンが狂気です」

 

「夏実ちゃん……字が違う。それじゃ、レンコンが殺したみたいじゃない」

 

——レンコン殺人3
「警部! 現場周辺をうろついていた不審者を発見。職務質問をしようと声をかけたのですが逃走。追跡の結果、身柄確保。この人物、犯行時刻にも現場周辺で目撃されていると近隣住民数人から証言を得ています」

取調室で。
「私は何も知らないし、見てもいない」
「ウソをつけ! ネタは挙がっているだ」
 警部は落ち着けと手で合図を送る。
 そして、少し間をおいて、
「何でも被害者とはかなり深い仲だったらしいじゃないか」
 黙る容疑者。
「浮気でもされて急に憎くなったか」
 容疑者は机を両手でたたき、
「あの男が許せなかったんです。ずっと私のことを好きだ好きだって言ってくれたのに、最近になって赤くてかわいらしいプチトマトが言ったのよ。それで……」
「やった訳か」
「はい……」

 連れて行かれるレンコンを見つける警部。
 内ポケットからたばこを取り出し火を付けてつぶやいた。
「レンコンだけに根に持ってしまったか……」

 

「ね、似てるでしょ」
「根があるところが……」